崩れる通信のお詫び

今まで、更新頻度は変えながらも、定期更新を続けていた「崩れる本棚」公式ウェブジン「崩れる通信」を、無断で、数ヶ月にわたり更新が停止していました。 申し訳ないです。 言い訳としては、私事により手が回らなかった、ということがありますが、言い訳以…

ウサギノヴィッチさんの『乱交パーティー』の感想

雨が降って何も出来ないのでウサギノヴィッチさんの『乱交パーティー』を読んだ。 詩集。 ウサギノヴィッチさんが詩を書いたのは初めて読んだ。 いつもバカにしているデリダとかラカンとか出てきた。 どんな作家もしょせんは固有名詞の役割しか持たないとい…

寸評

崩れる通信、寸評を急にはじめます。 1、憂野『ホニャホニャプーの棒』(「ホニャホニャプー」シリーズ第5回) そもそもホニャホニャプーとは、道端に落ちているなんだか分からないものの総称である。 ある写真家は言った。ひとたび写真を撮れば、その撮ら…

月刊少年

素晴らしい天然のモザイクが能代で展開しているらしい。教育課が足を面妖に組み替えながら騒いでいた。 能代に行く前にam/pmに寄る約束をしてた。能代には結局行かないけど。am/pmの硬化地鶏揚げたて1/3カット、受け取る間際に私の物じゃないと悟って手を…

あなたトーク

二千本のサクラが鬼籍に落ちる夢を見た。肘は無事だった。歩くことがこんなに辛いとは思ったことがなかった。 よく見れば、カレンダーは剥がしかけ、剥がされていない、六月の次には八月、うるう月だってことだ。小渕元人間がそのことを知らせてくれた。 歩…

山の日

クリスマスに至らないある日、近藤の靴がなくなったと言って近藤が近くを歩いていると、虫酸が走った。 近藤といえば聞こえが良いが、それはくずひも以上のものではなかった。おまけに、二重に隠してあって、滅多なことで、え? 「こしば、して、こしばさん…

スペース

「口ほどにもない」と言ったその口が、ピンマイクみたいにひん曲がっている。 先月もその話をジョーク好きの弁天にしたんだけど、「なーも、すないく」と言ったきり、自分のスペースから出てくることはなかった。

悟り

悟りを開いた人を目の前にして、クリスマス飾りの案配の相談をする。 悟りを開いた人答えて曰く、「石のように軽い薔薇を以てせよ」ニヤニヤ。

ツイッター

今日のつぶやき。 仕事とはいえ、五時半に起きるのは辛いなあ。2015/02/02 20:12 起きて昨日買ったパンを食べる。2015/02/02 20:17 短い睡眠の場合には珍しいが割とはっきりとした夢を見た、それを見ているときにはっきりとしていただけで起きたあとにはっき…

ツイッター

とある事情によりツイッターでつぶやくことが出来なくなってしまったので、ここに「ツイート」を載せます。 ポメラに「Twitter」というフォルダを作り、ツイートしているような気分で入力する。それをはてなダイアリー(現はてなブログ)に投稿する。 ヤマダ…

ビブラート

私は音楽をやってる時からビブラートは嫌いだった、何か音程というのが定まった点ではなく広がりを持った空間として見せる演出のようなものに感じられた、歌のビブラートはもっと嫌いだった。 音楽は苛烈で人間に突きつける法則のようなものであるべきだ。 …

時間

三ヶ月が、なんと、100日にもなるということに愕然たる驚きを隠せない。 三ヶ月というのは、あっという間に過ぎるものなのだと思っていたら、その実、100日間もの踏み込みを必要とするのだ。 100回は鏡を見ている。何と狂っている時間感覚であろうか。

あいらーびゅーそー

マクロスフロンティアを見ながら嘉村礒多を読む。たまにD.Gray-manとこち亀とカードキャプターさくらを見ながら人から貰った文芸同人誌を読む、読みながら他人の書いた小説を校正する、校正しながらラジオを聞く、ラジオを聞きながら職場への自転車をこいで…

死ぬほどの死ぬほどでもない日々略して死ぬ日々 あるいはアイディアの安売り

もはや大衆のものになってしまった感が否めないとはいえ未だに阿部共実をリスペクトであり阿部共実の呪縛から逃れられないPさん。ジョン・ケージのこんな発言に感動をおぼえた。 ケージ=私たちには、もはや自分自身のアイディアというのはありませんから、…

13枚

13枚

テグレトール

テグレトールは、三叉神経に関わる痛みを取るのにも使われるが、そもそもは抗癲癇発作のお薬であったようだ。ドストエフスキーも愛用していたと聞くが、もし愛用していたら今日残っているような名作は書かれずにしまったであろう。阿佐ヶ谷に行くには僕の最…

オリーブ

オリーブはしばらくむっつりと草も生えていない荒れ地に立っていた。五月、半数ほどの木に、小さな枝芽が出た。六月、小さな線香花火のような淡黄色の花が咲いた。七月、それはエメラルドのような深緑色の、びろうど地でつくったような、やわらかな手ざわり…

吉田健一『英国の文学』

またそれはその社会的な地位が十人十色であるのみならず、一人ずつ違った人間であり、その描写にチョオサアの人生上の経験と人間に対する好奇心を生んだ寛容な精神がまたとない仕事場を与えられて、そこに我々は、曾《かつ》ては暗黒の時代と呼ばれていたの…

体温計について

最近、自分でも唖然とするほど面白いことが思いつかない。面白いというのは別にそういうことじゃなく、何かが起こるという意味で面白く、そういう意味で何も起こらない。いや、何も起こらなくても何かが起こることを欲しているのだが、これは自分の中ではぜ…

今読んでいるもの

ピエール・ルジャンドル『真理の帝国 ―産業的ドグマ空間入門』 アレクサンドル・コジェーヴ『法の現象学』 柄谷行人『世界史の構造』 アンリ・ベルクソン『時間と自由』これは読み終わった。 古井由吉『聖』 大江健三郎『ピンチランナー調書』 井筒俊彦『イ…

スクリャービン

明日の「会」のために、一日中小島信夫の小説を読んでいた。 小島信夫はある時期から、自分の小説を再利用するようになるけど、それは自己否定としてなされる。まるでそれを改めてすべて書き直したくてたまらなく、……といって、それと言い切ることも出来ない…

ブログ

背の綴じ方によってちょうど良く頁がばらけ、大きさもA5判だが本文が二段組みになって活字の大きさが目にちょうど良く当たり、紙のおもてはミルク色に白く、やわらかいというそういう本は内容によらず、読んでいるのが心地良いというように、ウェブ上にある…

繰り返し

音楽の繰り返しを、それと気付いたくらいで、その音楽の本質とか、そうは言わないにしても構造とかが、わかった気になるのは、ちょっと足りないんじゃないか。 同じように、あるものを、同じ要素が出てきたというくらいで、それの本質とか、そうは言わないに…

血のしたたる数字

……一言で言えば、考えられている単位と、考えられた後に立てられる単位とは区別しなければならない。……(中略)……しかし、数が完成状態で考察されるや否や、それは客観視される。そして、まさにこの故に、その場合、数は無限に分割可能なものとして現れるの…

本を読む(2)

しかし寒さにはなかなか抗うことが出来ず、喉に悪いとは思いつつも、セラミックファンヒーターの熱風を受けることになる。このセラミックファンヒーターは「切」「弱」「強」しかなく、強では熱いが弱では寒い。なのでどちらか気になったらガチャガチャと風…

本を読む

昨日今日と連休だったので、ひたすら本を読んでいた。本でないものも読んだ。声に出して読みもした。 三年前、刊行された当初にすでに半分くらい読み進めてそのままだった、磯崎憲一郎「赤の他人の瓜二つ」を、ふたたび読み返して、そして読み終わった。磯崎…

呼吸

とりあえず、エッセイだけは書かなきゃいけないことになったので、ここで、呼吸を整えておくことにする。 それで言えば、わたしは今まで、ここやこのようなところで、ひたすら呼吸を整え続けていただけ、と言えるかもしれない、その息遣いを、結局どんな運動…

明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願い申し上げます。

去年書いた短文

しっかりとコンクリートで詰めたはずのドラム缶の中から、またゆっくりと顔が現れこちらを覗いている。まるで中は空っぽであるかのように造作がなかった。別段魅力のない四十がらみのおじさんだった。自分の背より高いドラム缶なので、こちらから中を覗くこ…

職場は割とシャレならんことになっている

部屋にずっと置いてある土産物の毬藻は、水の中に灰色の同じような形の黴が生えはじめてきっと枯れるのだろう。今年はじめに鎌倉で買ってきたものだ。水をこまめに入れ換え、もみ洗いしていれば、長生きするものだとどっかネットで書いてあったけれども、そ…