スクリャービン

 明日の「会」のために、一日中小島信夫の小説を読んでいた。
 小島信夫はある時期から、自分の小説を再利用するようになるけど、それは自己否定としてなされる。まるでそれを改めてすべて書き直したくてたまらなく、……といって、それと言い切ることも出来ないが。
 小島信夫を読んでからというもの、自分に関わるあらゆるものの符合を偶然でも見つけたときには、
「……関係があるのですね」
 という具合に考え直すクセがついてしまった。
 僕への小島信夫の影響は、思いのほか深い。