自転車で神保町まで

 おとといまで雨だった今日の予報がきのうには曇になっていたので安心していたら昼頃あっさりと降りはじめた。うちと神保町を結ぶ線の中心にちょうど池袋が当たるのだがそこを越えて後楽園に差しかかった辺りだ。景気の良い曲線のレールが見えた。もう新しく何の利便も考えずにああいったレールが敷かれることはないのではないか、奔流のようだ。ぜんぜん後楽園寄りの道沿いでももう古本屋が並んでいる。有名大学の横を通ると信じられないくらい、本当に堂に入り切るのか疑わしいくらいの学生が道をえんえんと流れて来る。それは池袋の方がむしろそうだった。池袋西口正面、マルイを真っ直ぐ行った先左手に、自転車の二人乗りにうるさい交番があって、そこで道路がわずかに左側に枝分れする。そこをしばらく進み結婚式場が右に見えてきたあたりが立教大学だ。完全な私服制にはなったけれどもいまいち制服の習慣が抜け切らないというか見た目のアドバンテージを残しておきたいという未練が感じられるミニスカートを履いた女子大生と、それと同じだけの特徴のない男子学生が、今言った道を寸分の切れ目もなく滔々と大学の門に流れ込んで行く。本当にこれだけの人数が、大学で習うような勉学を修めているというのだろうか? 目の前にある結婚式場に至るまでの道のりだとでも思っているんじゃないのか。残念ながら、今の世の中では景気良くレールを敷いてくれるような人はどこにもいないのだ。