五枚のCD/プロローグ(エピローグ)

 全身の筋肉痛を引き摺りながら近所に最近出来たTOWER RECORDSに行きCDを五枚買った。そんなに収入も多くないから、そうしょっちゅうCDなんか買いたくないけれども、フラッと入って棚を眺めると、自分にとってトレンドであるアーティストがかくも多く見つかるのではしょうがない。

Oversteps [帯解説付/ボーナストラック1曲収録/国内盤] (BRC252)

Oversteps [帯解説付/ボーナストラック1曲収録/国内盤] (BRC252)


Until the Quiet Comes [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC350)

Until the Quiet Comes [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC350)


handle me right

handle me right


Clarence Park [解説付 / ボーナストラック10曲収録! / 国内盤] (BRC332)

Clarence Park [解説付 / ボーナストラック10曲収録! / 国内盤] (BRC332)


ダーティーサイエンス(初回生産限定盤)(DVD付)

ダーティーサイエンス(初回生産限定盤)(DVD付)

 前にこのデパートに付いていたCDショップは、もう何と言ったか忘れた。それが長いこと閉店状態だったけれども、その次に出来たのがこのTOWER RECORDSだった。いわゆるマチのCDショップで、自分が好んで聞くようなCDが置かれているとは思っていなかったので、デパートに入った時にCDを探すことはなかったし、欲しいものがあったら池袋にでも行って探す、というのが習慣になっていた。たしかに前のショップに比べて、K-popやらジャニーズやら変に偏りがなくなっている、というのもあるけれども、自分が前より少し広く音楽を聞くようになってきた、というのもあるかもしれない。
 ごはんは注文したらすぐに食べられるけれどもCDは買ったその時には聞けない。買ってから、近くのドトールに行って本を読みはじめた。ここ数週間、いつに増して読書にエンジンがかかってきた。きのうは、半分くらい残っていた「遡行 変形していくための演劇論」を一日で読み切ってしまった。

遡行 ---変形していくための演劇論

遡行 ---変形していくための演劇論


 もともと、本を早く読むことを肯定的に考える人間ではなかったけれども、ある状態の中ではそれを肯定的に見ることが出来るようになった。ある状態というのはいろいろあるけれども、一つには、それをまた読むことが、もうすでにわかっているというくらいに良い本であったら、あせって、今読んでいる間に全てを味わうような心持ちで読むこともないだろう、というのがある。そういう自律的な側面とは別に、実に機械的な肉体に関する予想として、足腰を使って長距離歩くことが、そのまま本を読むことのねばり強さにつながるのではないかもしかして、というのがあってそれが当ったのかもしれない。
 安逸な姿勢で本を読んでいるにも関わらず、気がつけば肩の前の筋がこわばっていることに気がつくくらい、全身どこもかしこも痛かった。きのうおとといと、一人で千葉の鋸山に登ってきた。
(つづく)