想像と実際
この二日間の連休を利用して、ひたすら仕事で使う楽譜と、そのデモCD作りに明け暮れていた。
明け暮れというのは大げさではなく本当に明け暮れで、一日の時間を、仕事以外の作業でこんなに費やしたことは、最近はそうそうなかった。
一応押しつけられた仕事ではあったけれども、ここには自分の出来そうなことがたくさんあると思って引き受けたのでもあるから、さほど切迫したものもなかった。
僕は、自分一人でほとんどの行程を想像出来、そのまま実行できるような作業が好きだ。与えられたそばから、「あれはああして、……」ということを、自分でも驚くくらいしょっちゅう考えて、そして驚くくらいスムーズにその通りにやることが出来る。
よく「実際はそう予想通りにはうまくいかない」というけれど、その状態にある僕には全く当てはまらない。
そうなるのは、自分以外の要素が割り込んできたときだけだ。