ムージル
今日は休み。読書がよく進んだ。
特に、久し振りに埋もれた中から掘り出して読んだ、ロベルト・ムージルの「三人の女・黒つぐみ」。
ムージルは僕の大好きな作家全てにつながる。古井由吉に、朝霧真理子、磯崎憲一郎。
僕はさらにここにピエール・ルジャンドルと、小島信夫とのつながりも感じる。「三人の女」内の「グリージャ」の冒頭、古い民族の妙に新しい文化との混淆を見る視線は、まさに「私の作家遍歴」の最初の、小泉八雲のクレオール文化を見る視線と同じだ。
文化は、本来的に混成的なものでしかない。そのような観点に立つことは、「純粋な〜〜」を、意識的にしろ無意識的にしろ追い求めているような人にとっては、とても想像がつかない世界だ。純粋な日本。純粋な文学。純粋な音楽。純粋な人間。etc……
まあ、ムージルを読んで急にそれに思い当ったのは、これを書いている9/20時点だけれども、こういったことは、僕は何年来考えてきたことの車輪の一つをなしているので、細かな時間はどうでもいい。
それから、又牒々亭(1.6帖のレンタルスペース)に本を置いてきた。
フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 上」新潮文庫
フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 中」新潮文庫
フョードル・ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟 下」新潮文庫
椎名軽穂「君に届け 9」マーガレットコミックス
椎名軽穂「君に届け 10」マーガレットコミックス
夕方、空を見ると、はるか遠くにまだまだ勢いのある上昇気流が作り出した入道雲が見えたけれども、それは西日を受けて朦朧とするばかりで、もはや追憶の景色そのものとしか見えなかった。