うき世

 たまには、ニュースでも云々してみようかなと思って、グーグルニュースを開いてみたけど、ことごとく興味を引かない。
 興味を引かないどころか、こういったことに、これから死ぬまで深入りしようと思えないのではないか、という気すらしてきて空恐ろしい。世にもまれている身ではあるけれど、世間一般の感覚から、いかに隔絶しているか、今さらながら、歩いてきた吊橋を振り返ったら、踏み板がことごとく外されているかのような感を新たにした。
 それが本当に吊橋であれば、あとは渡り切るだけだけれども、浮き世からさらに遊離してしまった身は、一体どこに行き着くというのか。


荷風戦後日歴 第一:24/60
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