きょうあったこと

 休日。朝九時に起きたけど、二度寝して十時にまた起きた。腹を出して寝ていたけど、別段腹を壊すこともなかった。
「腹を出して寝ていたら、腹を壊すよ」とよく言われたものだけど。
 最近、仕事場の近くに借りた、本を入れるためのレンタルスペース(部屋としての名前をいつか付けよう)に、しまう本を、一日五冊選んでいる。
 向こうに持っていくのも、一日五冊。わざわざ仕事場の近くを選んだんだから、その行き帰りに本を置いていくことができる。今通勤に使っているカバンには、最高でそれくらいしか入らない。
 僕は、なんでも一ぺんに事を済ますという発想がない。
 しまう本は、既読のものに限る。前も書いたような気がするけど、僕は本を「読み終わった」「まだ読んでない」で弁別するという発想も、またなかった。「気に入った」「気に入ってない」、「かじるように読む」「突き通すように読む」などの弁別方法はあっても、「読んでる途中だ」「読み終わった」で別けることはしなかった。
 なので、わざわざ読み終わった本をまとめるというのは、僕にとっては急に新しいパーティションが出現したような感じがする。
 その本を、今日も五冊選んだ。
 たしか十時から十一時にかけて、急な豪雨と雷鳴が、東京には響き渡った。青さすら残している空から、雷鳴が鳴り渡っていたけれども、すりガラスで囲まれた自分の部屋からは、それを詳細に見ることが出来なかった。窓を開けてまで、その様子を見ようかとも思ったけれども、結局そうはしなかった。そう思う前に、豪雨は降りはじめてしまった。
 予報によれば雨は午前のうちには晴れると出ていたので、しばらく待つことにした。それでも、よく考えると、今日の雨を「弱雨」と予想している予報が、まだキッチリ当たると信じるのも、おかしな話だと思った。
 それでもその予想は当たり、十一時には本当に「弱雨」のレベルにまで雨の勢いは落ちた。
(中略)

荷風戦後日歴 第一:18/60
ノルマ±0。