羽根木公園(1)

 今日、羽根木公園へ行った。
 都内でも有数の大きさをほこる(なんたら「御苑」なんてのはさて置くとして)公園として覚えていたので、いつか行きたいと思っていた。仕事でうまくいかなかったので、気分転換という気持ちもあった。
 わざわざ電車で一時間もかけて、公園をただ見に行くというような徒労は僕にはよくあることなので良いとしても、僕の家からほど近い光が丘公園も、また都内で有数の大きさを誇っているので(なんたら「御苑」なんてのはさて置くとして)、その意味で拍子抜けするということはありえた。
 結論から言うと、いったん拍子抜けしかけて、それから見直した。最寄り駅の一つである井の頭線東松原駅から歩いてすぐの「東松原駅口」から入ると、目につくのは、球形のジャングルジムとか、ブランコとかで構成されている、住宅街の真中にポツンとある二十メートル四方くらいのいわゆる公園のようなスペースで、それが三つ分くらい固まっている。
 だから一目見た時は、ここは光が丘公園とは違って、小さい公園がひたすら凝集したような構造をしているのか、と思ったけど、そんな訳はなくもう少し歩くとコーナーを二つ使った野球場や、テニスコートがあった。
 僕がそこに差し掛った時に、バッターはピッチャーに振らされて玉は真下に跳ねて「ファール」のジャッジを受けていた。一瞬だけ守備の全員がバッターボックスに集まりかけて、ゆっくりと又各々のポジションに戻っていった。
(つづく)