ぱらんてえず 健康診断、自転車

 みなさん、もうそろそろ正月休みも一区切り付いて、仕事なり学校なり、はじまっている方も多いと思います。気分は切り替えられましたでしょうか。Pです。
「パランテーズ」というのは、佐々木中の「夜戦と永遠」のなかで、本篇「ラカン」、「ルジャンドル」、「フーコー」の章の間に挟まれた、その他の思想家について書かれた小休止のような章に付けられた題で、「括弧」という意味らしいです。
 なんだか話が拡がり過ぎた「抱負」についての話をしばしとどめて、いったん日常の話に戻そうかと思います。

健康診断

 Pさん11日からバイトがはじまることは以前申し上げた通りですが、老人ホームということもあって、前のバイト先よりも To Do が多く、「持って来い」と言われたものだけで六つありました。
 他のはさておき「年金手帳」「雇用保険被保険者証」「健康診断」の三つがどうにもやっかいそうな響き。
 年金手帳とやらは、母に聞いたら「ずーっと前に渡してある」という返事。そういう大事なものは、めったに開けない引き出しの中に入れたような、気がしなくもないなと思いそこを開けたら案の定ありました。しかしそこがなかなかカオスな空間で、今までもらった年賀状やら、コマやら、小学生の頃に書いた落書きやら、ゴチャゴチャと入っている中にあったので、あるいは完全に紛失したやもしれません。
 これも仕事先にあずけておくならもう失くす心配はイラン人。
 雇用保険被保険者証は、電話したら「あれば」とのことで、どうやらないらしいと言ったらあっさり免除されました。
 というわけで残るは健康診断。学生以来健康診断なるものは受けたことがなく、その間にどんな病巣が育っているかわかったものではないぞ、なんて思ったりもしたのですが、とりあえずその場で測った限りのことでは問題は一切ありませんでした。
 ただ小中学校で発見された場合にあらぬ疑いをかけられる「タンパク尿」であったらしいのですが、それも元看護士の母に聞いたら「誤差の範囲内」だということでした。
 あとはその場で聞かされなかった血液検査、レントゲン、心電図の結果を待つばかり。
 それにしても今回診察をしてもらった先生は、町ではちょっとした名物医で、自身が東洋医学を応用した「養生」の生活を送っていらっしゃるという「医者の不養生」と真逆を行っているような先生で、僕がほんのケシツブくらいだった頃から通っていたのに、まだまだ現役でやられておられて、一度大腸ガンを患われたという話を聞いたほどの御高齢にもかかわらず、今だに採血の注射の手も迷いなく、じつに見事なものでした。
 その息子さんはすぐ隣に眼科を開業し、たしかケツマク炎やらになった時にお世話になりました。なんだかわからない目薬を二種類連続でドバドバ打たれたのを覚えています。え、その二種類のやつ、一つ目を打ったら次を打つまでに最低十分は置いといて下さいって注意書きにあったから、自分は律儀に守って使ってたのに、ああ、まとめちゃうんだ。みたいな。
 それが一月六日の出来事。

自転車

 そして今日一月七日、近所のデパートへ行って、前にも言いましたがぶっ壊れたすえに遠い遠い街に打っ棄ゃってしまった自転車に代わり、新しいピンピンの自転車を買いました。
 前に「主婦に向けたチャイルドシート(?)付きのやら電動アシスト付きのやらしか置いてないその店で買うのはやめて、家のすぐそばのガンコ親爺のいる自転車屋で買うことにしました」なんて記述が見られるようですが、結局その「主婦に向けたチャイルドシート(?)付きのやら電動アシスト付きのやらしか置いてないその店で」買いました。
 だいいちその日の帰りに「家のすぐそばのガンコ親爺のいる自転車屋」に寄ったら、こっちは正月休みでやってなかったし、改めて行こうという気になるほどは、前にパンクを修理してもらった時の対応が良くはなかったので、そこで買うのもなんだなとか思ってやめたのですが、それからさらになんだかんだ自転車の種類とか調べてるうちに本当にバイト初日が来てしまうので(なんといっても歩くと一時間近くかかってしまうバイト先に行くために自転車がほしかったので)、最初からこだわりがあるわけでなし、今までのに比べたら三輪車でもまだマシやわと吹っ切って適当なのを買ってしまいました。
 思いの外日記が長くなってきてしまいましたので、簡単に前の自転車との比較でわかりやすく乗り心地を説明したいと思います。
 以下、「前の自転車の状態→今の自転車の状態」。
 1、サビてる→サビてない
 チェーンもサビてなければカゴもサビてない。前のはちょっとでも力強く踏み込めば「カラカラカラ」といってチェーンがアサッテの方向に外れてしまうというありさまだったので、当り前ですがどれだけ漕いでも外れないチェーンが有り難い。
 2、ライトの発電器がタイヤのそばにある→軸の方にある
 今買ったらみんな後者だろうと思うので説明しておくと、ちょっと前まではライトといったらタイヤのすぐ横に、単純にモーターの逆みたいなしくみになっている発電器と一緒に一塊みたいになってて、ライトを点けたい時は、バネみたいのでタイヤの側面に「ガツッ」て噛ませるようにして、回していたものです。
 これの壊れやすさったらなく、ちょっとでもフレームが曲がればまた違うところを噛んでホイールの方をガシガシ削り出すし、そもそも発電器の回る「ウィーーーーン」っていう音がかなりうるさいし、昼になったら外して、夜になったら付けるというのが実に面倒だし、面倒がってたらがってたですぐにおまわりに止められて、良いところはひとつもなし。
 それが今のものはLEDだし、スイッチを付けたり消したりする必要がなく、発電器は軸の方にあって全く音がしないし、完璧です。LED、万歳!
 3、荷台がある→ない
 サドルの後ろにあって、「二人乗り用の台」と思ってる人は思ってる(それは一応違反なのでそう呼ばないことになってる)、「荷物を乗せるための台」ですが、あれのないものを買いました。
 これは別段良くなった点というわけではないのですが、昨年の春頃に正式に彼女と別れたので、もう後ろに乗せる人もいないから、なくてもいいかなと思い、ないものを買いました。
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 4、ギアチェンなし→あり
 これも有難い。小学校の頃、はじめて買ってもらった自分の自転車が、六段変速のマウンテンバイクで、ガチャガチャと重さを変えるのが小学生の機械好きをたまらなく刺激してやまなかったのですが、ある時あっさり盗られてしまい、それ以降ギアチェンのある自転車を持つことはありませんでした。
 でも最近は自転車でわりと遠くに行くことが多くなって、だらだら坂などに差しかかった時に、「ああ、こんな時にギアチェンがあってくれたらな……」と思ったことが幾度あったことか。
 これでもう、何の心配もしないで遠出できます。