自転車(3)

 サンガ日も疾く過ぎて、人々が日常の感覚を取り戻しつつある今日此頃、如何お過ごしで御在ましょう。Pさんです。
 僕は「自転車」と題した日記を既に二つも書いていたらしく、どんだけ好きなんだという感じですけど、自分ルール的にはこれは「自転車(3)」となります。
 今まで僕が乗っていた、チェーンやカゴに赤錆が浮き、タイヤを囲うフタのようになっている所がひしゃげてしょっちゅう回転中のタイヤに触れ嫌な音を立てる、なんで動いているのかわからないような自転車が、去年の十二月二十二日についにパンクしまして、これを機に捨ててしまって新しいのを買おうということになりまして、とりあえず自転車どんなのがあるのか見に、近所のデパートに行きました。
 今まで実は自転車を自分で選んだことがないのでわからなかったのですが、安いものだと一万円を切るものすらあるということに驚きました。「そんな安くていいの?」っていう気持ちも働いてか、ごくふつうのママチャリでもいいんですけど(というかカゴがあった方が便利なんですけど)、かなり遠くまで走りに行ったりとかもたまにするので、それなりに走りやすいものにしてもいいんじゃないかと思い、主婦に向けたチャイルドシート(?)付きのやら電動アシスト付きのやらしか置いてないその店で買うのはやめて、家のすぐそばのガンコ親爺のいる自転車屋で買うことにしました。
 それにしてもデパート内はいわゆる「初売り」が行なわれていて、クリスマスにすら見られない人の混みように翻弄されるばかり。「例の琴の曲」があちこちで流れて、風の吹く割にそれほど寒くない表通りも含めて、やはり浮ついた空気が流れていました。
 これをどこまで引き延ばせるか。店員一同はみなそう考えているに違いない。