2011-11-13 今日おぼえた詩 村娘 畑を過ぎる鳥の影 青々ひかる山の稜雪菜の薹を手にくだき ひばりと川を聴きながら うつつにひととものがたる 春 陽が照って鳥が啼き あちこちの楢の林の、 けむるとき ぎちぎちと鳴る 汚ない掌を、 おれはこれからもつことになる 最近、なにかをしっかりと覚えるということを全くやらないので、なんか楽しいです。 「薹(とう)」というのは、くきの長い菜の総称。「ふきのとう」の「とう」。成長しきって食べるには固くなりすぎてしまうところから、人が盛りを過ぎるたとえに使われる「とうが立つ」の「とう」。 これらはどちらも「春と修羅 第三集」(ちくま文庫「宮沢賢治全集 2」)内の詩です。