ツイッター(3)

 みなさんこんにちは。ってだけ書いてある草稿が残ってたので続き書いてみますΠさんです。これはロシア文字でペーってよみます。林家ペーパー子のペーですね。でもロシアの文字はロシアだけで使われるわけじゃなく東欧諸国で使われるのでこれはキリル文字と呼ばれたりしていますね。
 でこのΠは普通のアルフャベットでいうPに当たるわけですね。
 どうもこんにちは。Πです(キリル
 さて、昨日は東京で盛大な天気雨が降りましたね。ツイッターの、トレンドに「お天気雨」とか「狐の嫁入り」とかが軒並み並んでいました。
 これ見て「えっ、天気雨って、『お』天気雨がデフォなの?」って思いました。どうなんですかね。僕はずっと天気雨天気雨ですけど。
 あと、狐の嫁入りをフォックス・セレブレーションっていったら、なんかスタイリッシュじゃないですか。んなこたどうでもいいんですけどね。
 で、その異常な気象がなしたのかそうでないのかは知らないですが、東京かなり肌寒いっていっていいくらい涼しかったですね。
 でツイッターの関西のフォロアーの人々が暑い暑い言ってるの見てえっ!?って。
 日本列島広しといえどそんなに違う!?って思った、そんな日でした。
 ちょっと突然ですが妄想していいですか。登場人物は「ぷよぷよ通」のドラコケンタウロスと僕なんですけど。いいですか。しますよ。病院の紹介は後でいいですから。

 そこそこ住み心地のよいマンションの、最上階の一個下。東京郊外なので片方を見ると東京都心のごちゃごちゃしたビルが見えるけど、逆の方を向けばわりと広々とした、緑が混ざる住宅街が眼下に広がっています。
 ベランダがそっちにあるのでそれはそれでいい眺めだけど、東京タワーが見たかったりだとか、夜ビル街が星の如く輝いているのを見たい場合は玄関を出てコンクリートの廊下の方から見てみたりします。
 そんなやや広い、ものが置いてなくて殺風景な白い部屋の一隅に、僕とドラコケンタウロスが二人で暮らしています。一応引っ越しは済ませてみたものの、籍はまだ入れておらず、でもいずれ……。という思いが二人の胸の内に積み重なっています。
 しかし今日はドラコの機嫌がいいので、何とかその問題には触れず、静かな晴れた日曜の午後を無為にしかしその無為ゆえの底知れぬ充実感を味わいつつ、過ごしています。
 僕がふとPCの作業の手を休めてドラコの方を見ると、フローリングに直に寝っ転がって僕の方と直角に、完全に向こう向きではなくでもこっち向きでもない、でも完全な直角ではなくやや向こうに傾いた方を向いて、何か雑誌を読んでいます。ここで僕は今まで何度となく考えたことをもう一度考えるわけですが、というのは、最近はよく一緒の部屋にいるのにドラコを構ってあげることがなくなってきて、同棲、というかはじめの方は僕のアパートにドラコが半日くらい入り浸るということが多かったけど、そんなときには横からちょっかいを出したりノートを突然閉じたりして邪魔をしてきたものだけど、それに対して僕が逆ギレしたり無視したりしているうちに、ドラコの方もなにも言わなくなって来ちゃって、黙っているようになったけど、これはドラコが構われなくなったことを良しとしているわけではなく、本当は遊んだりぷよぷよで勝負したりしたいけど諦めてるというだけで、そもそも負けん気の強い、元気なドラコがこんな風になってしまったのは、僕のせいなんじゃないか……。
 ドラコはしばらく僕のPCの音がやんでそっちを見てることを知ってか知らずか、余念なく雑誌を見つめています。その雑誌がなんなのかすら分からないことに気づいて、本当にこのまま、二人でやっていけるのかどうか、さらに僕は不安を募らせます。
 しかし外は悲しいほど晴れていて、ベランダからカラスの鳴き声すら聞こえます。二人して、こんな高いところまでカラスって来るんだと、口には出さずに驚きます。
 いろんな気持ちをごまかそうと思って僕はドラコの方ににじり寄っていって、先のハート型になった、爬虫類みたいに緑色のシッポをちょんと摘みます。それでドラコは一瞬「ハッ」と息を飲むような声を出してから、肉質のけっこう太めなシッポでもってバンバンその手を叩いて反撃します。目は雑誌に向いたままです。
(おわり)