Pさんのニコ生歴(3)

 その新しいノート(ライダー)は、中古で二万で買ったのですが、まあそれなりの性能というか、新品で買うよりはそりゃ落ちますが、それまで使ってた八年前の自作PC(りんご)よりゃ断然ましだったわけです。
 でもまだそれは単に故障したから変えただけで、ニコ動やニコ生には何ら興味もなかったわけです。いやむしろ、そのときネットの知り合い周りの人たちがいろいろハマってたのを見て「なにが?」ってスタンスをオオカナダモ?ハッていうこのスタンスを決め込んでいたわけですインストールだか蹴りたい背中だか楢山節考だか、わたやりさのどの小説だったか、読んだわけじゃないですが。
 わたやりさの笛吹川だっけ? まあいいんですけどとにかくそんなでもないなとか思ってたわけです十二月の三十一日まで。
 年を越して一月一日ですけどこのままではいかんなっていうかそれまでは暇なときはひたすらラジオ聞いてたんですよね。伊集院光とイス研ラジオですけど。この二者についてはいずれ時間を割いて解説せねばならぬのですがとりあえず置いておくとしてでもそりゃ面白いんですがさすがにそれだけ?ってなるわけじゃないですかテレビなんて本当にいっさい見なくなったし、ネットでもそんなにいろいろ見るわけじゃなし漫画も全然だし。
 エンターテインメントというもの全体に深く暗い翳りがわたくしの中で繁茂していたわけですね蔦か触手のように。「んなこといっても面白いものなんて腐るほどあるじゃん」と言われても自分の中でそうなってるからしょうがなかったわけですよいずれそういった類のものに筋道が出来るとして、それが見つからなかったわけだから。
 それで、その打開策がニコ生だったわけですね。そもそもプロの完成した作品って(今考えるとこの理論は若干疑問視を免れえぬのですが)、「これってほんとに面白いの? 面白くなりえるの?」っていう可能性、その可能性を感じ取ることが視聴者からはぎ取られているわけじゃないですか。……
(つづく)