本を探す

 何日も前から探していた本がある。絶版で、近所の古本屋に置いてないのはまあわかるとしても、池袋の古本屋群をあらいざらい探してもまだ見つからないのには驚いた。そういうことがあると僕はつい意地になってしまうので、今日はわざわざ神保町まで行って、その本を探した。
 ついでに散髪にも行ったとはいえ、起きてからすぐにそこへ向かったので、着いた時にはまだ11時だった。紫の半蔵門線の地下の出口から顔を出すと、なにやら提灯が目についた。
 出てすぐにドトールが右にあり、正面には文具屋、メインの四辻からは一つ外れた通りが見えるところだ。
 読めば「東京名物神田古本まつり」を、10月の27日からやるらしく、表の靖国通りにも、出店のハリボテが用意されているだけだった。
 いつも休みの日は衝動的に行き先を決めて、前以て情報を何も集めずに来るのでこういうことになるけど、改めて27日以降に来ておけば良かった、と後悔した。なんせ、神保町に来てすら、先程探していた本は、五六軒ハシゴしても見当たらなかったからだ。
 しかし、いったん喫茶店に入ってあらかじめ持ってきておいた本を読んで、もう帰ろうと本をたたんで、念のためあと何軒か回ってから、と思って入ったそこでようやく目当ての本を見つけた。

愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫)

愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 (岩波文庫)


 絶版とはいえ岩波で、それほどマイナーでもない著者、訳者であるにも関わらず、お値段が1,500円もした。最近、ほんとうにこういう出費が多くて頭が痛いというのに。
 目的もやっと達成したのであとは余計な本を買わないように急いでホームタウンに帰った。それからジムに行った。
 ジムでもちょっとした発見があって、今まで「痩せない……」「これだけ走っているのに痩せない……」って思ってたけれども、その「これだけ」というのは主に距離よりもスピードのことを最近は指していて、それでは有酸素運動にはならない。
 ランニングマシンの使用時間が30分の制限があるので、今まではとりあえずそれに合わせて、スピードの方を上げていっていたけれども、これからは、もし空いている機械があったら、二連続で使って、45分か1時間は走る。そうするだけで、消費カロリーは驚くほど変わるはずだ。