東京、渋谷

 今日は渋谷に行った。例によって(?)、一冊の本を借りに行くためだけに出掛けた。
 渋谷の空を見ると、いつもいろんな事を考える。渋谷エリア第一の売場面積を誇る、丸善&ジュンク堂書店に行ったけれども、欲しい本は一冊もなかった。池袋店であれば、最上階に行くと、富士が見えるかという位、見晴らしが良いというのに、ここには窓一つなくひたすら本に集中しなければならない。
 渋谷はまだ歩き慣れないので、丸善&ジュンク堂書店を探し当てるまでに果てなく迷う。偶然立ち寄った Disc Union で、Squarepusher のまだ買ってないCDを三枚買った。まだ買ってないCDが三枚もあるなんて、信じられない、というくらい既に買っていたのに、その三枚があるなんて、やっぱり渋谷は一味違う。
 家に帰って、その一つ「Beep Street」を聞く。これは Net で既に耳がタコになるほど聞いたのに、音質が違えば、また違う光景が広がる。
 なぜか、これを聞いていて、光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」に出てくる、プラトンが、街をブラブラと歩いている描写を思い出した。この縦に長い金属質のドラムが、なぜか真夏に、ゆるい服を着て、未開らしい戸のない住居を経巡るプラトンを想起させるなんて……。