連休

 おとといと、きのうが連休だった。それは週休二日の人には当り前かもしれないが自分は違う。一日目、二日目と数えるように休みを堪能した。
 一日目は西東京の方まで自転車で行った。花小金井は何の変哲もない街だった。小金井公園という、東京でも有数の広さを持つ公園が近くにある。セミがうるさいほど鳴く。セミの鳴く声を聞くと、その中にヒグラシの声を探してしまう。去年は、いろんな時期のいろんな時間に耳をすましたつもりだったけれども、一回も聞くことがなかった。セミとしては異質の、細い笛のような音だ。公園の中に定食屋があり、そこに入った。引き戸を入る前に開けてくれて、注文を間違えて「すいません」を繰り返す卑屈すぎるおじさんの店員だった。単なるとろろソバには山菜が付いていた。桜水というのは水に桜の花びらと塩だけを入れた、飲みづらい水だった。特に何の前ぶれもなく、食べている途中に崇高な音楽が流れはじめた。ブラスバンドか何かの音楽だ。食べ物屋で、有線でもそういうのを流すのは珍らしい。
 二日目は神保町へ行った。日曜だったのでおおかたの古本屋は休んでいた。小宮山書店は開いていた。あそこは古本屋だけれども古美術商みたいなところもある。ラーメン屋の「哲麺」は、土日祝が替え玉無料だ。調子に乗って二玉頼んだら気持ち悪くなった。