ダンスのとっくん

「とっくん」という言葉に、どことなく小学生的な響きを感じるのは、ひらがな表記にしなくてもそうだと思う。そうだと思うというのは、みんながみんなそうだという意味ではなく、自分がそう思うということだ。
 自分が、もし「とっくん」を「特訓」と表記したとしても、それがどことなく小学生的な雰囲気を漂わせているように、なぜか感じてしまうということだ。
 特訓ということ、もしくはそういう類のことを「特訓」と呼び慣わすことは、なぜか小学生の範疇にあるのだろうか。
 ともあれ僕は今日銀座に行ってダンスの練習をしに行った。前回「とりあえず、出来なくても良いからネットで見れる振りつけのビデオだけでも見ておくように」と言われていて、結局見てなくて練習に参加してさんざん恥をかいたにも関わらず、今日に到るまでまたそのビデオすら見ていなかったので、レッスンのはじまる一時間前に、まるで銀座気取りのルノアールに入って、アイス宇治抹茶ミルクを飲みながらスマートフォンの画面を注視していた。
 それでいて練習中に本社の方に、「これ、今日までずっと練習してたの?」と言われたのだから、僕は少なくともダンスに関しては覚えが良い方なのだと思う。
 銀座の街には、ビルの壁面全てを使った、シャネルやらルイ・ヴィトンやらのデザイナーちっくなアニメーションが輝いていた。
 そこではどんな紙袋を手からぶら下げているのかがポイントだ。僕はSEIYUのビニール袋だった。