続き
「022」は、「02」台の編集、出版史、古本屋案内などに混じって、膝くらいの高さの段と、膝くらいの段の下の段にまたがって、並んでいた。
その下は、一番下で、大判の本の為に設えられた、大きめの棚だった。
大判の本の中には、「022」はなかった。
「0」台は、「総記」と呼ばれている。ホッブズとか、ベーコンとか、ダーウィンとかの代表作がおさめられている、三十冊くらいの叢書がいくつかある。
腰をかがめて、「022」の本を眺めた。
とあるキリスト教史研究家が、「図書館が良いのは、読むべき本を発見できるところではなく、読むべきでない本が、大量にあるということを発見できるところにある。
書店などに行けば、読むべきでもない本を消去法により、つかまされてしまうこともある」と言っていた。
消去法とは言ってはいないが、おおよそ、そういうニュアンスのことを言っていた。
総記の向かいには、外国語図書がまとめられている。