氷の世界

 小説の版面を連日作っている。
 雨が降ろうが止もうが家にいながらにして、インターネットを使えば、本を作って家に郵送することができる。
 自費出版
「あなたの小説は、どこか不思議な力があります。ありとあらゆる老人を惹きつける力が。
 苦しみながら書きなさい。今は文芸社の1スタッフでしかないあなたですが、そのうち余裕を持ちながらエッセイを書くことが出来るでしょう」
 鯨の背のような深いソファに二人して腰掛けて、変な密談をしている。